資産と債務を同時に贈与する場合の注意点
資産と債務を同時に贈与する場合(負担付贈与といいます)、
税務上の注意点が2点あります。
贈与財産の評価は時価
たとえば、
・不動産(時価:5,000万円、相続税評価額4,000万円)
・借入金(4,000万円)
を贈与するケースを考えます。
相続税や贈与税における不動産の評価額は、原則として財産評価基本通達に基づいて評価します。
いわゆる相続税評価額といいますが、これが時価を超えてしまうことがないよう、
その評価額は時価の8割程度であるとされています。
早速贈与税の計算をしてみると、
不動産4,000万円ー借入金4,000万円=0円
となり、一見贈与税がかからないように思えます。
しかし、この負担付贈与。
贈与財産を時価で評価することとなっています。
したがって、
不動産5,000万円ー借入金4,000万円=1,000万円
となり、親から18歳以上の子や孫への贈与と想定して贈与税を計算すると、
(1,000万円ー110万円)×30%ー90万円=177万円
となります。
贈与者は所得税が課税
税務上の問題点は贈与税だけではありません。
贈与した側にも所得税がかかります。
どういうことかというと、
負担付贈与実行後には、
贈与者が有する借入金がなくなるということです。
つまりは、
不動産を贈与することで経済的利益を得ている、
と捉えます。
先ほどの例で不動産の取得価額を3000万円とすると、
借入金4000万円-取得価額3000万円=1000万円
が譲渡所得として課税対象となります。
対応策
負担付贈与の適用をさけるためには、
負担相当額を受贈者から受け取ることが必要です。
賃貸不動産には預かり敷金という負債があり、
直接賃貸不動産を贈与すると、負担付贈与の取り扱いが適用されます。
そこで負債の金額相当部分については受贈者側から徴収することで、
負担付き贈与の適用を回避できます。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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