所得控除の適用要件は色々ある【所得制限・配偶者・親族・同一生計などの条件】
所得税の計算上、所得控除を適用することで、課税対象となる所得から一定の金額を控除することができます。
所得控除の種類は、
・支出を伴う物的控除
・関係性や状態が要件の人的控除
があります。
それぞれの控除において、同一生計、親族、所得制限、など控除の種類ごとに異なり、わかりにくいところです。
今回は所得控除の適用要件を物的控除と人的控除に分類し、簡潔にご紹介いたします。
物的控除適用要件
物的控除に該当する所得控除の適用を受けるには、本人が対象者に係る支出をしていることが条件です。
(配偶者や親族がそれぞれ自己で支出している場合には対象となりません)
物的控除の適用要件の一覧は下記の通りです。
対象者・要件 | 本人 | 所得制限 | 配偶者 | 所得制限 | 同一生計 | 親族 | 所得制限 | 同一生計 |
所得控除種類 | ||||||||
雑損控除 | 〇 | なし | 〇 | あり | 〇 | 〇 | あり | 〇 |
医療費控除 | 〇 | なし | 〇 | なし | 〇 | 〇 | なし | 〇 |
社会保険料控除 | 〇 | なし | 〇 | なし | 〇 | 〇 | なし | 〇 |
小規模企業共済等掛金控除 | 〇 | なし | × | × | ||||
生命保険料控除(一般・介護) | 〇 | なし | 〇 | なし | なし | 〇 | なし | なし |
生命保険料控除(年金) | 〇 | なし | 〇 | なし | なし | × | ||
地震保険料控除 | 〇 | なし | 〇 | なし | 〇 | 〇 | なし | 〇 |
寄附金控除 | 〇 | なし | × | × |
※生命保険料控除については、本人以外が保険金の受取人である契約であっても、本人が対象者の保険料を支出している場合には適用することができます。しかし、保険金受給時には、保険料の受取人と保険料負担者がそれぞれ異なるため、相続税や贈与税の課税対象となります。(受取人=保険料負担者である場合には所得税が課税されます)
人的控除適用要件
人的控除は、本人との関係性や状態により適用される所得控除です。
人的控除の適用要件の一覧は下記の通りです。
対象者・要件 | 本人所得制限 | 配偶者 | 所得制限 | 同一生計 | 親族 | 所得制限 | 同一生計 |
所得控除種類 | |||||||
配偶者(特別)控除 | あり | 〇 | あり | 〇 | × | ||
扶養控除(16歳以上) | なし | × | 〇 | あり | 〇 | ||
障害者控除 | なし | 〇 | あり | 〇 | 〇 | あり | 〇 |
勤労学生控除 | あり | × | × | ||||
ひとり親控除 | あり | × | 子〇 | あり | 〇 | ||
寡婦控除 | あり | × | △ | あり | あり | ||
基礎控除 | あり | × | × |
※扶養控除は親族だけではなく、里子や養護受託老人も対象となります。
※寡婦控除は扶養親族がいない場合でも適用されるケース(夫と死別後婚姻していない場合)があります。
おわりに
今回は所得控除の適用要件を物的控除と人的控除に分類し、簡潔にご紹介しました。
所得控除は自己で申し出しなければ適用されない制度ですので、適用がもれないようにしたいところです。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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