非永住者の送金課税とは?【国外から日本へ送金すると課税がされる?】
日本では、下記の3つの区分に所得税の納税義務者が分かれます。
・永住者(居住者)
・非永住者(居住者)
・非居住者
このうち今回のテーマである送金課税の対象となるのは、非永住者(居住者)です。
非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいいます。
また、いわゆる送金課税とは、非永住者に国外源泉所得がある場合において、海外から日本国内へ送金したときに、一定額が課税される仕組みです。
たとえ海外で生じた所得であっても、
・お金が日本国内で支払われたり
・お金を海外から日本国内へ送金した場合
には課税の対象となります。
今回は非永住者の送金課税の対象となる場合とその計算方法について書いていきます。
送金が課税となる場合
送金が課税となる場合には、
・非永住者であること
・国外から国内へ送金する年において国外源泉所得があること
が大前提です。
仮に国外源泉所得がなければ、海外からの送金は課税されません。
ただし、その国外源泉所得から得たお金と、送金するお金は紐づいている必要はありません。
お金には色がないといわれるように、例えば、アメリカでの国外源泉所得がアメリカの預金口座に入金され、まったく別の香港の預金口座から日本へ送金した場合でも、送金課税の対象となります。
課税対象となる送金例
下記の取引が送金課税の対象であると、通達で定めています。
・国内への通貨の持込み又は小切手、為替手形、信用状その他の支払手段による通常の送金
・貴金属、公社債券、株券その他の物を国内に携行し又は送付する行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの
・国内において借入れをし又は立替払を受け、国外にある自己の預金等によりその債務を弁済することとするなどの行為で、通常の送金に代えて行われたと認められるもの
注意点としては、
・日本国内で使用したクレジットカードの引き落とし口座を国外預金口座としている場合
・国外預金口座から日本国内にあるATMからお金を引き出した場合
には、国外から国内に送金があったものと認識します。
計算例
下記の例について、国外から国内に送金が300あったとします。
国外源泉所得以外の所得(≒国内源泉所得) | 国外源泉所得 | |
日本国内払い | A 500 | B 300 |
日本国外払い | C 200 | D 400 |
A、Cは国外源泉所得以外の所得であるため、課税対象です。
(送金の有無は関係ありません)
Bは国外源泉所得ですが日本国内払いなので課税となります。
送金額300については、まずはCのお金が送金されたものとして計算します。
したがって、送金課税の対象となるのは、
送金額300 – C 200 = 100
となり、D 400のうち100が課税対象となります。
仮に送金額が200である場合には、全額がC 200の送金であると認識するため、D 400については課税されません。
おわりに
今回は非永住者の送金課税の対象となる場合とその計算方法について書いてきました。
・非永住者で
・国外源泉所得があり
・国外から国内へ送金する場合には
その送金が課税の対象となる場合があるので、注意が必要です。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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