金(ゴールド)を売却した時には税金はいくらかかるか?
現在金の価格が高騰し、史上最高値をつける日もあります。
個人の方で金を保有されている方の中には、売却を検討される方もいるでしょう。
売却にあたり、いくら税金がかかるのかは、気になるテーマの一つです。
今回は金(ゴールド)を売却した時に税金はいくらかかるかについて書いていきます。
金を売却したときの税金計算方法は総合課税
給与、事業、年金などに関する所得については、各種所得金額を合算して税金を計算します。
これを総合課税といいます。
総合課税の場合には、所得に5%から45%の率を乗じて税金を計算します。
所得の金額が高ければ高いほど、高税率が適用になります。
(専門用語で累進課税といいます)
他方、不動産や株式を売却した時には、所得はそれぞれ不動産や株式の区分ごとに分けて税金を計算します。
これを分離課税といいます。
分離課税の場合には、所得の金額に関わらず、一定の税率を乗じます。
金の売却は総合課税の対象となります。
具体的な計算方法
金を売却した場合の所得金額は下記の算式により計算します。
金の譲渡所得金額 = 売却金額 - 取得費 - 売却手数料などの譲渡費用 - 50万円(特別控除)
なお、金の保有期間が5年を超える場合には、上記算式で算出した金額の1/2が所得金額になります。
金の短期保有(5年以下)、長期保有(5年超)にわけて具体的に計算してみます。
1.金の保有期間が4年の場合
金の売却金額を1,000万円、金の取得金額300万円、売却手数料10万円とします。
金の譲渡所得金額は、
1000万円 – 300万円 – 10万円 – 50万円 = 640万円
となります。
2.金の保有期間が6年の場合
1と同様に、金の売却金額を1,000万円、金の取得金額300万円、売却手数料10万円とします。
金の譲渡所得金額は、
(1000万円 – 300万円 – 10万円 – 50万円)× 1/2 = 320万円
となります。
それぞれ求めた所得金額は、給与や事業、年金などの所得と合算して、税金計算をします。
仮に、他の所得がなく、金の譲渡所得のみであると仮定して、上記例の税額をざっくりと計算すると、
1の例については、
640万円 × 20% - 427,500 = 852,500円
2の例については、
320万円 × 10% ー 97,500 = 222,500円
となります。
参考:所得税の税率
加えて、所得税とは別に住民税(10%)もかかります。
まとめると下記の税額を納付することになります。
短期保有(5年以下) | 長期保有(5年超) | |
所得税 | 852,500円 | 222,500円 |
住民税 | 640,000円 | 320,000円 |
計 | 1,492,500円 | 542,500円 |
同じ金額で金を売却したとしても、5年を超えて保有した後に売却した場合には税負担が軽減されます。
おわりに
今回は金(ゴールド)を売却した時に税金はいくらかかるかについて書いてきました。
金の保有期間が5年をはさんで、所得の計算方法が変わり、税金負担額も大きく変わります。
売却の際には5年という数字を考慮に入れておくとよいでしょう。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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