白色申告で家族の給与を経費にする方法


個人の事業所得の申告については、青色申告での申告が推奨されているところではあります。

しかし、開業後、青色申告承認申請書の届出期限が過ぎてしまって、1年だけ白色申告、という方もいるでしょう。

開業して間もないうちは、家族に事業の手伝いをしてもらいその対価を支払う場合があります。

しかし、家族の給与については原則経費にできません。

しかし一定の要件を満たすと、白色申告であっても一定額を給与として経費が認められます。

適用要件

白色申告で家族の給与を経費する(事業専従者控除といいます)適用要件は下記の通りです。

・家族が専ら事業に従事している

専従の判定は、1月から12月にかけて、6か月超専ら事業に従事しているかによります。

そのため、例えば、7月以降に事業を開業しその後家族が12月までその事業を手伝っていたとしても、事業専従者控除の適用はありません。

また、高校や大学の学生(夜間学校を除く)であったり、他に職業がある場合(その職業が短時間である場合を除く)には、専ら従事しているとはみなされません。

・確定申告書に事業専従者控除を適用を受ける旨と適用を受ける金額を記載する

提出する確定申告書に一定の記載事項を記載します。事前の届出は必要ありません。

※給与の支払い有無は適用要件になっていないのがポイントです。給与の支払いがなくても、上記要件を満たせば経費にすることができます。

経費にできる金額

下記のいずれか低い金額が経費にできる金額です。

・500,00円(配偶者は860,000円)

・事業専従者控除前の事業の所得金額 /  事業専従者の数+1

なお、所得控除の配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除との併用はできません。
(どちらの規定を適用すべきか有利判定が必要です)

注意点

事業専従者控除の対象となった家族は、その控除金額について、給与収入があったものとみなします。

例えば、事業主の所得計算で、配偶者が事業専従者控除86万円の適用を受けた場合には、その配偶者は86万円の給与収入があったものとみなされます。
(給与の支給有無は問わず)

給与収入86万円のみであれば所得税住民税非課税の範囲です。

しかし、配偶者自身に他の所得がある場合には、税負担が加算される可能性があります。

おわりに

今回は白色申告で家族の給与を経費にする方法について解説しました。

適用要件はシンプルですが、専ら事業に専従しているか、については丁寧に検討する必要があります。



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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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