相続税の申告が必要な場合は?【相続税を減らす規定の適用を受ける場合は申告が必要】

人生で数回しか遭遇しない相続。

相続税の申告をするべきか否か判断できない方も少なくないでしょう。

相続税の申告が不要である相続財産額は、

3000万円+600万円×法定相続人の数

です。

例えば夫が亡くなり法定相続人が妻、子どもの2人である場合には、

3000万円+600万円×2人=4200万円

です。

しかし、都内に不動産を所有している場合には、申告不要の範囲を超える可能性があるでしょう。

元々地価が高いことに加え、コロナ禍でさらに価値が上昇しました。

東京国税局の発表資料によると、都内で亡くなった方の令和3年分の相続税の課税割合は18.1%になっています。およそ5人に1人は相続税の申告の必要があります。

申告すると、基本的には相続税を納付することになることになるでしょう。

しかし、申告をすることを要件として、相続税を減らすことができる規定があります。

結果として納める相続税が0円となるケースもあります。

今回は、主な相続税を減らすことができる規定をご紹介いたします。

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配偶者の税額軽減

亡くなった方の配偶者が法定相続分又は1億6千万円までの財産を相続した場合には、その配偶者には相続税はかかりません。

冒頭の例(相続人が配偶者と子のみ)である場合には、法定相続分は1/2です。

残された配偶者の生活保障が目的として制定された規定です。

小規模宅地等の評価減の特例

残された相続人の生活の基盤となるような事業・住居に使用している土地を相続した場合には、一定の面積を上限としての土地の評価を50%又は80%減らすことができます。
(詳細な割合はこちら

結果として、相続税を減らすことができます。

こちらも残された相続人の生活保障が目的です。

特定非常災害が生じた場合の財産評価の特例

大雨や地震などにより甚大な被害を受け、その災害が特定非常災害の指定を受けた場合には、相続した財産のうち一定の土地及び株式の評価額を被災直後の金額で計算することができます。

条件としては、相続が災害の前に発生し、相続開始後申告期限までの間に災害が生じた場合です。

相続税は相続発生時の財産を時価により評価しますが、申告は相続開始から10ヶ月以内です。

実際に相続税を申告する時点では、被災した資産については、評価額が著しく低下しています。

被災前の評価額で計算した場合、相続人には酷です。
(相続財産から相続税の納付資金を捻出するため)

そのため被災直後の評価額で計算することで、相続人の担税力が考慮されることとなりました。

まとめ

相続税を申告することで、相続税額を減らすことができる規定をご紹介しました。

いずれも申告期限までに申告することが要件なので、早め早めに着手することをおすすめします。


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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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