当期課税事業者で翌期免税事業者になるときに翌期に繰り越す棚卸資産がある場合には注意【繰り越す棚卸資産について消費税の調整計算が必要】

売上高が1000万円前後で安定して推移している場合には、年によって消費税の課税事業者になったり免税事業者になったりします。

その場合に注意が必要なのは、当期課税事業者で翌期免税事業者になるケースです。
(免税事業者から課税事業者のケースでも注意が必要ですが、今回は割愛します)

当期中に仕入れ、翌期に繰り越される棚卸資産については、購入時に支払った消費税額分を加算して、消費税を計算します。
(簡易課税を適用している場合を除きます)

理由

翌期に繰り越される棚卸資産は、翌期に販売することになります。

しかし翌期は免税事業者なので、繰り越した棚卸資産を販売しても消費税を納める義務はありません。

販売代金に消費税が上乗せされていても、その消費税を収めなくていいのです。

一方、前期に仕入れた棚卸資産について、消費税の計算上消費税額の控除を認めてしまうと、仕入時と販売時で消費税計算の整合性が取れなくなってしまいます。
(仕入れ時には消費税額の控除ができるが、売上時には上乗せされた消費税を納めなくてよい)

棚卸資産の消費税の調整計算

そこで、翌期が免税事業者になる場合には、当期に仕入れた棚卸資産で翌期に繰り越すものについては、その棚卸資産の購入時に支払った消費税額を加算して、消費税を計算することとしています。

加算することで、実質的に消費税額の控除をしていないのと同じこととなります。

この調整計算が漏れていると、税務調査で指摘される可能性があります。

指摘された場合には、追加で消費税額を払うことになるので注意が必要です。



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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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