非居住者が日本国内に所有する不動産を賃貸しているときに注意すること

コロナ禍も開けて、人の移動が活発になってきています。

中には、

・海外へ拠点を移す

・会社の辞令により、1年超海外赴任する

ことにより居住者から非居住者になる場合もあるでしょう。

非居住者の定義は、

・日本国内に住所又は継続して1年以上居所(生活の本拠)を有しない個人

をいいます。

この非居住者が、日本国内に不動産を所有し賃貸している場合には、税金上注意が必要です。

賃料から日本の税金が源泉徴収される

非居住者が所有する日本国内にある不動産賃貸料は、収入金額から20.42%源泉徴収されます。
(借主が個人で、かつ借主自身又はその親族の居住用としている場合を除きます)

居住国と日本が租税条約を締結している場合には、取引内容によって源泉税率が通常に比べ低率であったり、源泉税自体が免除されることもあります。

しかし、日本と締結している多くの租税条約については、日本国内にある不動産の賃料は日本国内で課税することとなっているため、日本の国内法に基づいて源泉徴収されます。

ただし、納付は賃料の支払者が行うため、所有者がすることはありません。

確定申告が必要

非居住者が日本国内にある不動産から得た収入については、日本で確定申告をする必要があります。
(事前に納税管理人を定めている場合には、納税管理人を通じて確定申告します。納税管理人は日本居住者であれば個人でも法人でも誰でもなれます)

確定申告の期限は対象年の翌年2/16から3/15までです。

例えば2023年分の確定申告は2024/2/16-3/15までにします。

なお非居住者の所得控除(税金の計算上一定額を控除できる金額)は

・雑損控除(国内にある資産の損失に限定)

・寄附金控除

・基礎控除(所得に応じて最大48万円)

に限られます。

また、非居住者であっても青色申告することが可能ですので、要件を満たした場合10万円控除又は65万円控除を受けることができます。

収入金額の20.42%と比較的高い源泉税率で税金を前払しているので、確定申告することで還付を受けることができる場合が少なくないでしょう。

おわりに

今回は非居住者が日本国内に所有する不動産を賃貸する際に注意することについて書いてきました。

たとえ非居住者であったとしても、日本国内で得た収入については、日本の税金を支払うこととなるので注意が必要です。
(確定申告をしなければならないか、源泉徴収のみで完結するかは、所得の種類や非居住者の状況により異なります)



-----------------------------------------------------------
都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

ホームページ(Home) 
プロフィール(Profile)
ブログ(Blog)
個人の方(料金表)(Individual-fee)
法人の方(料金表)(Corporate-fee)
お問い合わせ(Contact)

非居住者が日本国内に所有する不動産を賃貸しているときに注意すること” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。