法人なりをしたときに忘れがちな個人事業所得の経費【廃業年分の事業税】

個人事業を廃業し、法人なりをする場合、その廃業年の翌年に最後の事業所得の確定申告をします。

その中で忘れがちな経費は個人事業税。

廃業年に支払う個人事業税はその廃業年中に支払いが発生するので翌年の確定申告で経費としてもれることは多くはないでしょう。

しかし問題となるのは、廃業年の翌年に支払う個人事業税です。

なぜ忘れがちになるかというと、個人事業廃業年の翌年に税金が賦課されるためです。

そして賦課されるタイミングは8月と11月。

廃業年の確定申告は3月ですでに終了しており、その後の支払いとなります。

そのため、個人事業の廃業年に経費にしそびれてしまうケースが少なくありません。

しかし、翌年の賦課される前にどうやって経費にすべき事業税を計算するのか疑問に思うところです。

そこで通達において、廃業年の翌年に課税される個人事業税として経費算入することができる概算計算方法が定められています。

その算式は、

(A-B)×R÷ (1+R)=事業税の概算経費

A:事業所得(青色申告特別控除の適用前)
B:事業主控除(年290万円、廃業月により月割計算)
R:事業税率(3-5%、業種による)

で計算します。

例えば、事業所得1000万円(青色申告特別控除の適用前)、廃業月が12月、事業税率5%として計算すると、

(1000万円-290万円×12月/12月)×5%÷(1+5%)=338,095

となり、同額を廃業年の事業所得の経費とすることができます。

なお、確定申告をした後に更正の請求(還付請求)もすることができます。

ただし期限は事実が発生した日の翌日から2月以内と、期間が短いので、注意していないとうっかり請求期限を過ぎてしまう可能性もあります。

したがって確実に経費計上できるように、廃業年分の確定申告の提出時に概算経費として計上する方法をおすすめします。

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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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