インボイス免税事業者への支払いで8割控除が適用されないケース
消費税の課税事業者が免税事業者へ支払いをした場合には、原則として仕入税額控除をすることができません。
ただし、インボイス導入後の当面の措置(3年)として、消費税の8割部分を仕入税額控除することができる経過措置があります。
しかし、免税事業者への支払いで仕入税額が8割控除できないケースがあります。
一の免税事業者への支払いが税込10億円を超える場合
消費税の課税事業者が、一の免税事業者への支払いが一年又は一事業年度内で税込10億円を超える場合には、その超える部分については8割控除の経過措置の適用を受けることができません。
(2024年10月1日以後に開始する課税期間より適用)
改正の背景は、8割控除の過度な益税を防止するためです。
(そもそも売上が10億円を超える免税事業者はケースとしては少ないと思いますが)
例えば、免税事業者の売上が税込11億円とすると、消費税は1億円です。
仕入税額控除をする側としては、消費税の1億円の8割である8000万円を控除することができます。
つまり免税事業者が預かった消費税1億円が納税されないにも関わらず、支払い側として仕入税額を8000万円控除することができるわけです。
そもそも消費税の8割控除制度自体は益税が発生しますが、10億円を超える取引となると益税部分が大きくなります。
今回の2024年度税制改正において、10億円という一定のラインを引いて、過度な益税を防止するに至りました。
おわりに
今回はインボイス免税事業者への支払いで8割控除が適用されないケースについて解説しました。
インボイス制度は始まったばかりの制度ですので、随時改正があるでしょう。
今後も改正事項のキャッチアップは欠かせません。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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