個人事業で繰り越した損失を2年前の所得と相殺できるケース

青色申告の個人事業で損失が出たときには、前年の所得とその損失を相殺し所得税の還付を受けることができます。
個人事業で赤字が出た場合、前年の黒字と相殺し還付を受けることができる

原則として前年の所得とのみ相殺可能ですが、繰り越されてきた損失については、2年前までさかのぼれるケースがあります。

事業を廃止した場合

例えば、下記の事例を考えてみましょう。


2025年に所得500万円あり、2026年は損失▲500万円でした。

原則として、2026年に生じた損失を

・前年の所得と相殺するか

・翌年以降3年間繰り越すか

の意思決定は2026年の確定申告書の提出期限(2027/3/15)までに行うことになります。

今回は2026年の損失は翌年以降に繰り越すことに決めたものとします。

しかし、2027年に突然廃業することに。

この場合において、2026年から繰り越されてきた損失を2025年の所得と相殺することができます。

適用要件

・相殺する年(2025年)と損失年(2026年)において青色申告書を提出している

・廃業年(2027年)の確定申告書の提出期限(2028/3/15)までに還付請求書を提出すること

亡くなった場合

もう一つのケースは個人事業をしていたけれども、亡くなってしまった場合です。


先ほどの例と同様、2026年の損失を翌年に繰り越すこととしました。

が、翌年亡くなってしまったものとします。

この場合においても、2026年から繰り越されてきた損失を2025年の所得と相殺することができます。

適用要件

・相殺する年(2025年)と損失年(2026年)において青色申告書を提出している

・亡くなった日から4月以内に還付請求書を相続人が提出すること

おわりに

いずれの事例も繰り越してきた損失が打ち切りとなってしまうため、救済措置として設けられています。

該当する場合には、遅滞なく申請することをおすすめします。

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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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