会社の株式を事業承継などにより贈与する場合、配当を出して株式の評価を下げる方法もある

株式を創業者から後継者へ贈与する際、贈与税がかかります。

贈与税は株式の評価額が高ければ高いほど負担が大きくなります。

株式を移転させるときは、なんとかして評価額を抑え節税をしたいもの。

評価額を下げる方法の一つとして、配当を出すことがあります。

今回は配当を出して株式の評価を下げる方法について書いていきます。

株式の評価方法

そもそも株式の評価方法は、

・類似業種比準価額

・純資産価額

・配当還元価額(少数株主)

の3種類あります。

創業者のように、株式をある程度まとまって持っている場合には主に、

・類似業種比準価額

・純資産価額

により評価します。

社歴が長く利益が自己資本として蓄積されている場合には、類似業種比準価額の方が評価額が低くなる傾向があります。

今回は前提として評価額の大小を、類似業種比準価額<純資産価額として、話を進めます。

類似業種比準価額とは?

類似業種比準価額とは、字の通り、自社と業種が似ている会社と比べて評価額を決める方法です。

どうやって他社業種と比べるのか。

評価する期の直前期の3つの要素で比較します。
(類似業種平均の3つの要素は国税庁が統計をとり、公開しています)

・配当

・利益

・純資産

です。

「配当」と「利益」と「純資産」が全部マイナスであったら、評価額は0になるのかと思われるかもしれませんが、その場合には、純資産価額で評価することとなっています。

また、

直前期直前々期
配当00
利益-200-200
純資産500500

である場合には、類似業種比準価額25%と純資産評価額75%を合計して評価することとなります。
(直前期の3つの要素のうち2つが0以下で、直前々期の3つの要素のうち2つ以上が0以下である場合)

ここに直前期に配当10を出すと、

直前期直前々期
配当100
利益-200-200
純資産490500

となり、直前期の3つの要素のうち、1つのみが0以下となりました。

したがって、会社規模に応じて類似業種比準価額により評価することができるようになります。
(大会社:類似業種比準価額、中会社:類似業種比準価額60%-90%+純資産価額40%-10%、小会社:類似業種比準価額50%+純資産価額50%)

おわりに

今回は配当を出して株式の評価を下げる方法について書いてきました。

株式評価は評価基準が細かく規定されていて煩雑で、会社ごとに個別に対策を練ることが欠かせません。

株価対策をご検討されている方はこちらからお気軽にお問い合わせください。



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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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