相続税の申告でe-taxを使用するメリット・デメリット

所得税の確定申告を書面ではなくe-taxで申告することにはなじみがある方が多いと思います。

実は相続税もe-taxで申告することができます。

今回は私が相続税の申告をe-taxを利用して感じたメリット・デメリットについて書いていきます。

添付書類のほとんどをデータで送付することができる【メリット】

相続税の申告をe-taxで申告するメリットとしては、ほとんどの添付書類のをデータで送付することが可能な点です。
(申告にあたっては国税庁のe-taxソフトではなく民間の会計ソフトを使用しましたので申告書のデータ化は簡単でした)

私の場合、資料はデータ化して保存しているため、e-taxで申告することによる資料のデータ化の負担感はありませんでした。
(書面提出でもスキャンの手間はかかりますので)

e-taxで申告する場合に紙で提出が求められるのは、納税猶予をする際に提出する担保関係書類のみです。
(マイナンバーカードなど本人確認書類は添付省略できます。申告書にはナンバーの記載が必要ですが)

その他の書類については、データで送付することができます。

さらに2023年1月以降に申告する分については、事務処理負担の削減が考慮され、提出が求められる添付資料が減少しました。

・遺産分割協議書と印鑑証明書(又は遺言書)

・株式・不動産など評価額を一定の方法により計算する資産の評価明細

・法定相続情報(なければ戸籍謄本一式)

・相続税の申告のためのチェックシート

などはデータ提出が求められますが、

・不動産の登記簿謄本や固定資産税評価証明書

・預金の残高証明書

・生命保険金の保険証券、保険料の計算資料

・債務、葬式費用の納付書、領収書

については、添付が必須ではありません。

※添付が省略された背景は、おそらく

・申告上評価額や債務額の計上にあたり経験則上ミスが少ないもの又は軽微なもの

・税務署が被相続人の財産の内容を相手先へ照会することが可能なもの

であると推測します。

申告する相続人の利用者識別番号を取得しなければならない【デメリット】

申告書を書面で提出する場合には、申告書に申告代表者とともに名前を併記することにより、共同提出が可能でした。

しかし、e-taxで申告する場合には、申告する相続人の利用者識別番号(マイナンバーとは別)を取得しなければなりません。

番号の取得自体はさほど手間ではなく、国税庁のe-taxソフトを利用し取得できます。
(すでに所得税の確定申告で利用者識別番号を利用している場合には、その番号を使用することができます)

ただし個人情報が番号と紐づけされデータ化されることに抵抗感がある方は書面による提出することが無難でしょう。

※そもそも相続税の納付額がない相続人は申告は不要ですが、申告要件がある規定(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の評価減の特例など)を適用し納付税額が0となる場合には、申告は必須です。

おわりに

今回は私が相続税の申告をe-taxを利用して感じたメリット・デメリットについて書いてきました。

普段から資料をデータ化している習慣がある方は、記載したe-taxによる申告のデメリットを感じなければ、e-taxはおすすめです。
(民間の会計ソフトを使用することは必須ですが)

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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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