外貨預金で外貨を売買した場合の為替損益の確定申告は必要か【場合による】
2022年は円相場が急激に変動し、ドル円が一時1ドル150円台まで達しました。
(1990年以来33年ぶり)
新たに外貨預金の口座を開いて外貨の売買をされた方もいるでしょう。
外貨預金で外貨を売買した損益について、確定申告しなければいけないか疑問に思うところです。
今回は確定申告が必要かどうかを給与所得者と事業所得者に場合分けをして説明します。
為替損益の取り扱い
・日本円を外貨に変え再度日本円に変えた場合
・その外貨で物やサービスを購入した場合
・その外貨を違う外貨へ変えた場合
に為替損益を認識します。円から外貨に変えた時点では認識しません。
(所得の種類は雑所得)
原則的な取り扱いとして、
外貨売却により利益が出た場合には、申告が必要です。
逆に、損が出た場合には、申告不要です。
たとえ損を申告したとしても、給与所得などの雑所得以外の所得と相殺することができません。
(ただし、雑所得内で、相殺可能です。その場合には申告が必要です。)
給与所得者には特例があります。
給与所得者の場合
1ヶ所から給与の支給を受ける給与所得者の場合には、給与所得と退職所得以外の所得金額が20万円以下である時は、申告不要とする特例があります。
(給与収入2000万以下である場合に限ります)
つまり、給与と退職金以外の所得が外貨売却による利益のみである場合には、その利益が20万円以下であれば、申告不要です。
ただし、他に副業や仮想通貨の取引があり、外貨売却による利益との合計が20万円を超える場合には、申告が必要です。
- 外貨売却利益がある場合
確定申告が必要です。
ただし、その利益が20万円(他に副業や仮想通貨の取引がある場合にはその合計)以下であれば確定申告不要です。
- 外貨売却損失がある場合
確定申告不要です。
ただし、他の副業や仮想通貨の取引で20万円を超える利益があり、外貨売却損失と相殺する場合には、確定申告が必要です。
事業所得者の場合
給与所得者でない場合には、所得金額20万円以下の申告不要の特例がないので、20万円以下であっても申告が必要になります。
- 外貨売却利益がある場合
確定申告が必要です。
- 外貨売却損失がある場合
確定申告不要です。
ただし、他の副業や仮想通貨の取引で利益があり、外貨売却損失と相殺する場合には、確定申告が必要です。
まとめ
外貨を売買した場合の確定申告の取り扱いについて簡単に記載しました。
給与所得者の20万円以下の特例の追記事項として、
法人の役員で、給与の支給以外にその法人に貸し付けている資産の収入がある場合(不動産の賃料収入など)には、給与所得者の20万円以下の申告不要の特例は適用されず、確定申告が必要になるので、要注意です。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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