開業年の確定申告をする前に確認すること【棚卸資産と減価償却資産の評価方法は選択できる】

来月からはいよいよ確定申告が始まります。

昨年事業を開始して今年が初めての確定申告であるという方もいると思います。

今回は開業年の確定申告をする前に確認することとして、

・棚卸資産の評価方法

・減価償却資産の評価方法

について書いていきます。

棚卸資産の評価方法

商品を仕入れたけれども、未販売のものを棚卸資産といいます。

棚卸資産の考え方として、

・棚卸資産の金額が大きければ、経費算入できる金額は翌年以降に持ち越し

・棚卸資産の金額が小さければ、当年に経費算入できる金額は増える

ことになります。

棚卸資産の評価方法は、

原価法と低価法の二種類があります。

原価法は主に最終仕入原価法、低価法は原価法による評価額と時価とのいずれか低い金額が棚卸資産の評価額になります。

原則は原価法のため、低価法を適用する場合には届出が必要になります。

仕入れ時の商品価格より時価が下落している場合には、低価法を選択した方が棚卸資産の金額が減り、開業年に経費算入できる金額が増加します。

届出期限

低価法による方法を選択するためには、

所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を開業年の翌年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。

開業年については、届出書の提出タイミングは確定申告の提出時期と同じです。

減価償却資産の評価方法

減価償却資産は取得してから、一定年数にわたり経費化していきます。

償却方法は、定額法と定率法の2種類があります。

建物・建物付属設備・構築物は定額法のみ選択できます。

しかし、器具備品・車両は、定額法に加えて定率法も選択することができます。

取得した減価償却資産を早めに経費化するには、定率法を選択した方が有利です。
(定額法は耐用年数にわたり定額で償却、定率法は年初未償却残高に一定率を乗じた金額を償却するためです)

所得税の場合には、何も届出をしない場合には、定額法が適用されます。

取得した減価償却資産について、定率法を選択したい場合には届出が必要です。

届出期限

定率法を選択するためには、

所得税の減価償却資産の償却資産の届出書」を開業年の翌年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。

棚卸資産の評価方法の届出と同様です。

おわりに

今回は所得税の棚卸資産と減価償却資産の評価方法について書いてきました。

開業年により多くの経費算入したい場合には、

・棚卸資産は低価法を選択

・器具備品、車両に該当する減価償却資産は定率法を選択

する方法もあります。



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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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