贈与税申告する際に改正後の暦年課税と精算課税どちらの制度を使うのがよい?

2024年から贈与税の計算に関する制度が改正されました。

贈与税の計算は、

・暦年課税

・相続時精算課税

の2種類があります。

主な変更点は、

暦年課税については、

・生前贈与加算対象年が3年から7年に(4年目から7年目は100万円控除後加算)
(生前贈与加算とは相続前に贈与により取得した財産価額を相続税の計算に加算する制度です)
100万円を超える財産の贈与をして節税するには2023年中にするのがおすすめ【2024年から制度が変わる】

相続時精算課税については、

・110万円の基礎控除の創設
2024年1月から相続時精算課税制度が改正になる

です。

暦年課税については納税者不利、相続時精算課税については納税者有利の改正内容です。

今回は改正後の制度について、いずれの制度を適用するのがよいかについて書いていきます。

それでも基本は暦年課税を選択

改正により暦年課税が納税者不利になったとしても、基本は暦年課税による贈与をおすすめします。

最大の理由は相続時精算課税は一度選択すると取り消しが効かない点にあります。

将来は不確定な要素があります。

たとえ相続時精算課税を選択した時点において税務上有利な選択となったとしても、結果が判明するのは相続が発生した時点です。

相続時精算課税で110万円の基礎控除が創設されたとはいえ、暦年課税の生前贈与加算の4年目から7年目の贈与についても100万円が控除されます。

その差は10万円で微々たるものです。

どちらの制度を適用するかで判断を迷われた場合には、機動的に対応できる暦年課税をおすすめします。

相続時精算課税が有効な場合

とはいえ、相続時精算課税制度を有効に適用できるケースもあります。

それは、

・相続が比較的近い将来に発生する見込みである

・贈与する財産が将来値上がりすることが確実である
(判断は簡単ではありませんが)

・相続人が一人である場合

など、比較的不確定要素が少ないケースに相続時精算課税を適用する場合には有効でしょう。

おわりに

今回は贈与をする際に改正後の暦年課税と精算課税どちらの制度を使うのがよいかについて書いていきました。

相続時精算課税は110万円の基礎控除の創設により従来よりも柔軟性があるようになりました。

しかしながら、一度選択したら取り消すことができない、ということはやはりネックですので、特殊なケースを除いては暦年課税をおすすめします。

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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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