外れ値の中に解決策を探す(ポジティブデビアンス)

POSTIVE DEVIANCE(ポジティブデビアンス)、リチャード・パスカル、ジェリー・スターニン、モニーク・スターニン著を読みました。

コミュニティや組織が抱える問題の解決策を探るときに、ポジティブデビアンスという視点を取り入れることが有効であると述べられています。

ポジティブデビアンスとは、ポジティブな逸脱者、つまり失敗した規範ではなく「成功した例外」を意味します。

通常問題の解決策はコミュニティの内部ではなく、外部へ新たな方策を探る傾向があります。

例えば、ある貧しい村に物資を寄付したとしてもそれが持続的に機能しなければ根本的な解決にはなりません。

ではどうするのか。

そこで着目するのが、コミュニティの中に既に問題解決をしている集団がいる点です。

同著の事例では、食物が貧しい環境下であっても、栄養状態が満たされた集団が存在していました。

その成功した例外の食生活や習慣を参考にし、全体へ波及させていくプロセスを踏みます。

新たに解決策を探すより、既にある中から観察し探し出すアプローチです。
(新発見と呼ばれるものの中には、(誰にも認知されていなかった)既にあるものを発見した、というケースがありますね)

ただ実際に解決策を導入するにあたっては、多大な労力(解決方法の模索からその解決法を理解してもらい導入してもらうプロセス)が必要となります。

認識を改めることがいかに大変か、その辺の苦労も書かれています。

統計上は外れ値を例外として通常考慮しません。

しかし解決の糸口を探す手がかりとして、集団の中のポジティブデビアンスを詳細に観察することが時に鍵を握ります。

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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office

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