建物の譲渡所得の取得費はどのように計算するのか?
譲渡所得の金額は、
総収入金額-(取得費+譲渡費用)
で計算します。
ここでいう取得費とは、通常取得時に支出した金額(取得価額)をいいます。
土地、金、美術品の場合には、取得費=取得価額となります。
しかし建物は時の流れとともに価値が減少していきますので、その減価分を考慮することが必要です。
今回は、
・事業のように供している場合
・プライベート(非事業)で使用している場合
に分けて取得費の計算方法を説明します。
事業の用に供している建物の場合
譲渡直前の未償却残高が取得費となります。
事業の用に供している建物については、耐用年数にわたって減価償却をします。
(減価償却とは取得価額を耐用年数にわたって経費化していくことをいいます)
減価償却費は事業所得の必要経費に算入されます。
では具体例を見ていきます。
建物:50,000,000で取得した鉄筋コンクリート造(耐用年数:50年、定額法償却率:0.020)
取得日:2017年1月1日
譲渡日:2025年10月1日
取得してから各年分の償却費は以下の通りです。
2017年~2024年 50,000,000×0.020=1,000,000
2025年1-9月 50,000,000×0.020×9/12=750,000
これらは事業所得の計算上、各年分の必要経費に算入します。
譲渡直前の未償却残高の計算は、取得価額から減価償却費の額の合計額を控除するので、
50,000,000-(1,000,000×8年+750,000)=41,250,000
となり、これが取得費となります。
プライベート(非事業)で使用している場合
取得価額から減価の額を控除した金額が取得費となります。
この減価の額というのは、減価償却と同じような考え方で、時の経過とともに建物が減価していくことを考慮しています。
しかし、減価償却とは若干計算方法が異なります。
減価の額は、
取得価額×0.9×旧定額法償却率×プライベートで使用した期間の年数
の算式で求めます。
・旧定額法で計算
・耐用年数は1.5倍して計算(1年未満の端数は切り捨て)
・プライベートで使用した期間の年数は6月未満切り捨て、6月以上は切り上げ
がポイントです。
先と同様の具体例を用いて取得費を計算していきます。
建物:50,000,000で取得した鉄筋コンクリート造(耐用年数:50年、定額法償却率:0.020)
取得日:2017年1月1日
譲渡日:2025年10月1日
減価の額は、
50,000,000×0.9×0.014×9年=5,670,000
となります。
・耐用年数は50年×1.5倍=75年
・旧定額法の償却率0.014
・使用期間8年9か月→9年
として計算します。
したがって取得費は、
50,000,000-5,670,000=44,330,000
と求まります。
おわりに
譲渡した建物の取得費の計算については、
・時の経過の減価分を考慮する
・事業用とプライベート用で減価の計算が異なる
点に留意しましょう。
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都築太郎税理士事務所/Tsuzuki Taro Tax Accountant Office
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